ボランティア活動を主とする市民団体や、PTA役員をされている方々にお話を聞く機会があります。

そこで感じるのは“人手不足”、あるいは“高齢化”の問題。

若い世代、働き盛りにボランティアやPTAのなり手が少ない。サークルの立ち上げ時はみな若々しく元気だったが10年、20年経って、メンバーが年を取った。介護で抜けてしまった。若いメンバーが増えない、等々の悩みはどこの団体にも共通しています。

慢性的人材不足に悩むサークルやPTAは、社会を担う若い世代のワーキングマザー&ファザーにも、活動に加わって欲しいと考えています。

「できる範囲の参加で構わない」「会議は仕事帰りでも間に合う夜に行う」「土日中心の活動」などと従来のやり方を改善し、あの手この手で勧誘しますが、結果は芳しくありません。

仕事帰りで疲弊した上、会議にまで参加するなど土台無理。平日は働きづめで土日くらいゆっくりしたい。溜まった家事を片付けたい、家族サービスもしたい…。

ボランティアやPTA活動に費やす時間など捻出できない、という断りの理由は至極真っ当です。

働かざる者食うべからず。仕事に従事し、その対価としての賃金を得なければ、人は暮らしていけないからです。

口に糊する程度の働きではダメ。将来有利に生きていくために子どもに高水準の教育は不可欠、ワーキングマザーとして恥ずかしくない服やメイク、つきあいをこなすためにそれなりの軍資金も必要…。

どんなに働きづめで働いても「生活が満ち足りる」ことはなさそうです。

あれもして、これもして、周囲の生活水準についていくためには、もっとバリバリ働いてお金を得なければならない。

お金の余裕をつくるために働くことで、心の余裕をなくしてしまう若い世代が多い気がします。

それが本当に自分や家族の欲しているものかどうか分からないまま、ただ周囲に負けないようにと肩肘張って必死で日々を過ごしてれば、心に余裕がなくなるのも当然です。

そのような余裕のない心に、「自分や家族以外の人のために尽くす」などという発想など生まれっこありません。

しかし、私たち人間は所詮ひとりでは生きていけない。家族の中だけで生活は立ちゆかない。成り立たないのです。

心に余裕がない人は、あらゆることを疎かにしがちです。子どもがトラブルに巻き込まれる可能性も高く、それを冷静に対処する余裕がないために、修復不可能なほど人間関係を壊してしまうようなケースも多数見ています。

心に余裕のないワーキングマザーは表情もこわばり、子どもやご主人の心もどんどん離れていきます。ブス道、まっしぐらなのです。

そうなってしまう前に、自分や家族以外の周囲、地域に目を向けてみませんか。

あなたのできることは実は無限にあります。あなたの助けを必要とする人も大勢います。家族を大切にしたいなら、家族ぐるみで参加できる市民活動、ボランティアもたくさんあるんですよ。

そこで生まれる交流は、余裕のないあなたの心に変化をもたらしてくれるかもしれません。

たとえば、「お金が足りないから必死で働く」という考えを、「工夫してお金を使う」考えに改める。それだけで心にほんの少し余裕が生まれそうですよね。

仕事関係だけでなく、年齢や職業も多種多様な人々と交流することで、そんな賢いヒントを得ることもあるかもしれません!

心に余裕のないときにこそ、ボランティア。実はオススメなんです。