若い頃、関西出身の友だちから、こんなことを言われたことがあります。「東京では可愛い女の子やカッコイイ男の子がモテるみたいだけど、関西ではトークが面白いコじゃないとモテないのよ」

アンタは話が面白くないからモテない、ということだったのか、可愛くないけど、話さえ面白ければ(関西なら)チャンスはあるよ!ガンバレ!という意味だったのか…。

関東・関西の違いに限らず、ホステスさんやキャバクラ嬢はキレイなだけ、可愛いだけではダメ。店のナンバーワンと言われる女性は話し上手、聞き上手でないと勤まらないと言います。

地位と権力を持ち、さらに教養の高い男性なら、当然、相手をする女性にもそれなりの頭の良さを求めてくるでしょう。国の統治者、国王や、国家を預かる元首などであればなおのこと。

高い権力を持ち、意のままにできる財力のある男性はたいてい、「色を好む」。つまり美女が大好き。大奥の文化など、まさにそれを具現化したものと言えましょう。

そういった場所に見目麗しい美女たちが集められたことは容易に想像がつきますが、長きに渡って寵愛を勝ち取るのは「頭のよい女」。

「絶世の美女」の代表格とも言える、クレオパトラは、戦術に長け、戦乱の世でオトコ顔負けの活躍をしました。なにより声がきれいで、話術が巧み。

クレオパトラと話をした男性たちは、いつまでもこの女性と話しつづけていたいと願ったそうですから、現世ではおそらく指名を取りつづけるナンバーワンホステスとなったことでしょう。

クレオパトラに関しては当時流通していたコインに横顔が刻まれているだけで、肖像画も残っていません。妹が美しかったことは分かっており、姉もおそらく美しかっただろうと言われています。

しかし、時の大物男性ふたりを陥落させたのは、美貌というより、むしろ人を魅了して止まない、そのトーク術にあったと考えられています。

日本の美人の代表は、小野小町。その生涯は謎に包まれていますが、当時、身分の高い人たちに必須だった和歌を数多く残し、教養の高さはお墨付き。

深草少将とのラブロマンスは悲恋ですが、Sッ気のつよい、頭の回転の速そうな言動は、女王様気質の大好きな男性には堪らない魅力だったに違いありません。

フランス国王15世の愛人のひとりであるポンパドゥール夫人もまた、頭のよさを認められた存在。当時の政治は彼女がベッドで操っていた、と言われるくらい、頭脳明晰、話術が巧みだったとか。

教養が高い男性を惹きつけるトークとはいったいどんなものなのでしょうか?

おそらく共通するのは“聞き上手”だったことだと思われます。相手のホンネを上手に引き出して、相手が言って欲しいコトバを巧みに探り当てる。

ここぞというポイントを逃さず上機嫌にさせた上で、自分の要求をうまいこと、相手に呑ませていたのではないでしょうか。

今は戦乱の世ではなく、平和な時代で、一般人である私たちは戦術や外交などに直接口を挟む立場にはありません。

しかし、相手からホンネを聞き出すこと、相手が言って欲しいと思っているコトバをここぞというポイントで言うことができれば、相手から、「ずっと側にいて欲しい」と思われること間違いなし!

地位と教養のある男性をゲットしたいと思ったら、まずは聞き上手に徹する。相手に純粋な関心を抱き、変な先入観を持たず、まっさらな心で相手に対峙することです。

それが傾国の美女たちに見習うトーク術の一歩!