こんな話をご存じでしょうか? 各国の女性に「もし、コスメを一種類だけ持っていくとしたら何を選ぶ」と尋ねるのです。

アメリカ人はマスカラ、フランス人はチークを選ぶ、と言われています。

さて、では我らが同胞、日本人は?

実は日本人は、先進国と言われるどの国の女性よりスキンケア命の民族。コスメアイテムをどれかひとつを選ぶ、ということが非常に難しいのだそうです。

同じ日本人でも30年前の10代〜20代の若い世代はとりあえず、リップカラーを持っていたと記憶しています。少し前の“目力”ブーム時代ならきっとアイライン、…しかし、それは肌のピチピチした若い世代だから、一本選べただけのこと。

お肌の曲がり角を迎えた30代以上なら、「どれかひとつ?ひいいいい〜勘弁して下さい〜」と情けない声を出すこと必至でしょう。美容に関心の高い人ならなおのことです!

日本国内には、海外ブランド製と称したありとあらゆるスキンケアアイテムが揃っていますし、ドラッグストアなどでわりと安価に手に入れることもできます。

しかし、海外旅行をされた人ならご存じのように、それらのアイテムは実際には本国では使われていないことがほとんど。海外ブランドの名を冠しながらも、実は日本人の肌のためだけに開発された日本専用商品なのです。

海外のドラッグストアに出かけて、日本よりコスメアイテムが少ないことに衝撃を受けた、という方も少なくない思います。

女優やモデルたちならばともかく、一般の人たちは、限られた数種類のコスメアイテムのみでお手入れしていることが多いのです。

「コレ一本で!」というようなキャッチコピーで、オールインワン化粧品というものも売られていますが、実際に「コレ一本で!」済ませている人は少数派であるというデータもあります。

実際に一本で済ませているような人は、「貧乏くさい」などと陰口を聞かれてしまうこともあるとかないとか。

日々、丁寧なスキンケアを重ねることはけっして悪いことではありません。

自分の肌に合った、使用感のすぐれたコスメを使えば、確実に肌は美しく保たれますし、もとから肌質がよい上、お手入れに余年のない東洋人の肌は「ベビースキン」といって欧米人にとって賞賛の的だったりもします。

しかし、「愛用のスキンケアライン、ひとつだけでも欠けたら、肌コンディションが悪くなってしまうから、みっともなくて外出もできない…」などというネガティブ暗示にかかることは心のために、お肌のために決していいことではありません。

アメリカ人、フランス人のように、究極のコスメアイテムをどれかひとつを選べ、とまでは言いません。

アクシデントがあり、お気に入りコスメが使用できないようなときでも楽しく過ごせるように、コスメポーチはパンパンにせず、少しダイエット、スリム化してみる工夫も必要かも知れません。

私がとくにオススメするのは、「しない美容」。普段からメークアップにとことん手を抜きまくる方法です。

いつも完璧なメークアップをしている人は、不測の事態がおこり、完璧な顔に仕上がらないとき、周囲から、「あれ?今日のあの人全然イケてない…?」「劣化?」などと思われてしまいがち。

しかし、普段から、たいして手をかけていなければ、そのような残念ギャップを与えることはありません。

その変わり、ここぞ!というときだけ、気合いをいれたメークアップをすれば、「あれ?あのひと、こんなに美人だったっけ?」と周囲の人に新鮮な驚きを与えることができ、いい気分になれること請け合いですよ!