「あなたにタダで10万あげます」というオイシイ話も、「ただしライバルには10万+αをあげます」というと断る人が多いのだとか。

「では、あなたに7万あげます。ライバルには5万です」というように、先ほどの条件より損になるにも関わらず、相手の損失はもっと大きいのだ、と考えると途端に承諾する人が増えるのだとか。

相手を羨んで、妬む傾向にある人というのは、どんなに自分の収入が増えても、高い地位を手に入れても、さらに上を見て、歯がみしたり、心の中で地団駄を踏んだりするもの。

それが向上心となって、さらに高みを目指す契機となればよいのですが、大抵は困ったことに「相手を蹴落とす」ことばかり、妄想しがちなのです。

実際に根回しして、ライバルを蹴落とす算段こそしてはいないとしても、相手の失敗や、アンラッキーを密かに祈ったりすることは、心のためにけっしてよいことではありません。

そんな思いに囚われてばかりいたら、美しさからはどんどん遠ざかっていってしまうことをはっきり自覚した方がよいのです。

しかし、そうした妬み、そねみの感情は心から振り払っても、振り払っても、しんしんと心に積み重なって澱をなすもの。

そんな感情を持っていれば自分だって辛いし、口に出さないにせよ、あなたの表情に表れているはずですから、相手との関係も良好ではないでしょうし、相手とあなたの間に位置する人もとばっちりを受ける可能性があります。

どうしても払拭できない、妬み、そねみの感情を払拭するには一体どうしたらよいのか?

状況を分析してみることをオススメします。相手の成功、相手と比べて自分の足りないところ、それを俯瞰で眺めてみて、客観的に判断するのです。

友人の視点を取り入れてみてもいいでしょう。直接本人に尋ねるなど、無粋なことをしなくとも、日頃の態度、言動からの推察、想像でいいのです。

客観的に物事を捉えると、わだかまっていたどす黒い感情は、一掃まではされなくても、コールタールのように心にベッタリはりついたものではなく、ふわっと扱いやすい状態になってきてはいませんか?

これが分析における効果なのです。

妬みやそねみの感情はいちどきに全部消し去ってしまうことは難しい。

しかし、心の中にそのような感情が淀んでいようとも、その感情を飼い慣らしやすいふわっとした曖昧な状態にしていれば、苦しい思いからは解放されるはずです。

逆にそうしたどす黒い感情を自覚していた方が、人間同士のコミュニケーションは取りやすいとも言えます。

ねたみ、そねみの感情が一切ないより、かつて、そのドス黒い思いに囚われ苦しい経験をしたあなたなら、自分に妬み、そねみの感情を抱く人のことも察知できるはず。対処方法を検討できるでしょう。

社内や集団の中で妬み合っている人たちにいち早く気づき、無用なトラブルを避けるため、気を回したり、緩衝材になることもできます。

客観的に物事を捉えられるあなたの株は、確実にあがるはず。周囲から認められれば自信がつきますし、その自信は表情から溢れてくることでしょう。

隣の芝を羨む人、ライバルの成功を妬み、美貌を疎ましく感じる人、ぜひこの分析の視点を自身の生活に取り入れてみてください。