涙は女の武器である。「真珠の涙を浮かべれば男の子なんてイチコロ」なんていうセリフが少女向けアニメにもありました。

真実、男性とは、こと女性の涙には弱いものなのでしょうか。

ドラマや映画の女優の涙。あれは演出です。一昔前には、ウソの涙を流させるため、目薬をつかっているなんて話もありました。

それを模して、心はキレイだけどちょっと鈍臭い少女マンガのヒロインの仇役が、イケメン男子の関心をひくため、目薬をさして涙を流す、なんてシーンもよく見られました。これももちろん、演出。

ここぞ!というシュチュエーションで、BGMも高まり、そんなとき、美しい女の子の潤んだ瞳から涙が一筋…。まあ多少はグッとくるかも知れないですが、やりすぎ感もあります。

「男ってもんは、こういうクサイ演出に弱いんだ」なんていう人もあるかもしれませんが、人それぞれでしょうね。

元演劇部の立場から言わせていただくと、一筋の涙を流すというのは至難のワザ。

脳内で「飼い犬が死んだ」等の疑似体験を妄想し、一生懸命感情を高ぶらせて泣こうとすると、たいてい鼻水も同時に垂れます。どうにも美しくない。

しかしながら、実際、おいおいと流す流す涙には、“美しさ”へ導いていく大きな力があるのです!

“涙活”というコトバをご存じですか?文字通り、涙を流す活動のことです。日本各地でこの涙活イベントというのが頻繁に行われています。

内容としては、涙を誘うような映像を見たり、音楽を聴いたり、感動する話を聞かせてもらったりするのだそうです。

主催者のひとりに聞いたところ、「クサイなあ」「こんなの所詮ヤラセだろう」とハスに構える人もいるのだけど、いつの間にかシクシク泣き出し、最後にはとうとう号泣することも多いのだとか。

「自分は絶対泣かない、というか泣けない、と思っていたのに、周囲から漏れ聞こえてくる嗚咽の声を聞いていたらもう溜まらなくなって…」という人もいます。雰囲気にも左右されるのですね。

さて、この涙活には、どんな効果があるかと言いますと、「ストレスを解消し、体内にある不要物を洗い流す」のだとか。

その結果として、悩み事がなくなり、ぐっすりと眠れるようになり、便秘が解消(!)、美肌に繋がる(!)という嬉しいオマケもついてくるんです。

「涙ってとにかくどんどん流した方がいいんですよ。効果が高いのは目にゴミが入った!というような反射的なものではなく、脳が活発に刺激され、心の底から溢れ出してくるような涙です」と前出の涙活イベントの主催者さん。

大人が泣くだなんてみっともない!というタブー意識を持っている人もいるようですが、大人だからこそ泣いた方がいい、と言います。

「涙のひとつも流せない冷血漢が他人の気持ちを汲みとり、上手なコミュニケーションをはかるなんて無理な話。会社などで重要な役についている人ほど、涙活はオススメなんです」

イベントに参加しなくても、ご自宅でも簡単に涙活は体験できるようなのでご紹介したいと思います。

たとえば泣けるドラマ、アニメなどを、リラックスしながら鑑賞する。ベッドに寝っ転がりながら、泣ける小説、マンガを一気読み。

過去の悲しい思い出を追体験するのも、かなりよい脳内刺激になり、質の高い涙活になるのだとか。

涙は男をイチコロにする秘密兵器なんかではなく、“美”を望む女性のための必須アイテムだったのですねえ!涙活、ぜひトライしてみましょう!